真夏でもないのに、顔から滝のような汗が出る…。
顔汗多汗症という症状かもしれません。
顔にかく汗は人目につきやすいですし、気にすればするほど、汗が止まらない…という事も。
困った顔面多汗症の原因や対策法を詳しくご紹介します。
顔ばかりに汗が出る?顔面多汗症の症状とは?
暑くもないのに汗が出る…、人より汗の量が異常に多い…。
そんな多汗症のなかでも、顔にだけ汗をたくさんかいてしまう症状を顔面多汗症といいます。
多汗症の症状が出るパーツは、他にも手のひらや足の裏、ワキなどがあります。
中でも顔面多汗症は、以下のような理由から日常生活にも支障をきたしてしまい、悩んでいる人が特に多いと言えるでしょう。
- 化粧がすぐに崩れてしまう
- 汗をかいているのが他人に分かってしまい、人目が気になる
- 緊張してる?体調が悪い?と勘違いをされやすい
- 汗をこまめに拭く以外、すぐにできる対策法がない
顔面多汗症の治療にはどんな方法がある?
まわりから見ても汗をかいているのが分かりやすく、かといって手軽にできる対処法がなかなか無いのが、顔面多汗症の難点です。一体どうすればいいのでしょうか?
根本的な治療
まずは病院に相談して、顔面多汗症を根本的に解決していくための治療を受けましょう。
多汗症の治療は皮膚科や専門のクリニックで受けることができ、いくつかの方法があります。
(1)ボトックス注射
汗は、交感神経の末端から放出される「アセチルコリン」という神経伝達物質によって汗腺が刺激されることで、発生します。
ボトックス注射にはアセチルコリンの放出を抑える働きがあり、多汗症の治療に利用されています。
また筋肉の動きを抑える働きもあるため、しわ治療にも広く使われており、多くの美容皮膚科で受けることができます。
ボトックス注射を1回打てば、半年程度は汗を減らす効果が継続します。一時的とはいえ、汗を根本から抑えることができるので、多汗症の悩みを一気に軽減することができます。
(2)精神的アプローチ
不安やストレスによって大量の汗をかいてしまう場合は、投薬などで不安を取り除く治療を行うことで、顔面多汗症の軽減を目指すことができます。
(3)漢方薬
漢方を専門に扱うクリニックや病院に相談し、漢方薬を処方してもらいましょう。原因や体質に合わせた漢方薬を飲むことで、多汗症の悩みを軽減することができます。
(4)交感神経へのアプローチ
先ほどもお伝えした通り、汗は交感神経から神経伝達物質が放出されることで発生します。
多汗症の人はこの機能が高まりすぎているため、交感神経の働きを一時的にブロックしたり、内視鏡手術によって半永久的に遮断したりする治療が用いられることがあります。
一時的に顔汗を抑える方法
多汗症の根本的な解決には、医師による治療や助言が不可欠ですが、自分でできる対策方法もあります。
一時的な効果ではありますが、「まずは手軽な対策法を試したい」「ボツリヌス注射や投薬による治療と組み合わせたい」といった人におすすめです。
(1)顔用の制汗剤を使う
スキンケアやメイクアイテムの中には、顔の皮脂をケアするものは数多くありますが、なかなか汗まではケアできませんよね。
また、ボディ用の制汗アイテムを顔に使ってしまい、肌が荒れてしまった…という苦い経験を持つ人も少なくないのでは?
最近は、顔専用に作られた制汗剤が続々と登場しています!
顔用の制汗剤の多くは、汗の出口となる毛穴をキュッと引き締め、汗を抑える制汗メカニズムを採用。
肌に大きな負担をかけずに汗の量を減らすことができるので、肌荒れを起こしてしまうリスクが低いんです。
顔用の制汗剤について、詳しくは以下の記事もご覧ください。
暑い季節も汗ひとつかかず、涼しい顔で過ごしたい!そんな女性の強い味方として、最近注目されているのが顔用の制汗剤です。 「…
(2)ツボ押し
体にあるツボの中には、汗を抑える効果があるものも。いくつかある中から、手にある2ヶ所のツボをご紹介します。
・後谿(こうけい)
小指の根元、手の側面の、ふくらんだ部分にあるツボです。
画像引用元:www.acupressure.jp/
・陰げき(いんげき)
小指の下、手首の付け根から、1.5cmほどひじの方にあるツボです。
画像引用元:www.acupressure.jp/
(3)食生活、生活習慣を変える
多汗症の人は、食事が偏っていたり、不規則でストレスの多い生活をしていたりする傾向があり、こうした習慣を変えることも大切です。
例えば規則正しい生活で寝不足を解消したり、余分な水分や老廃物の排出を助けるカリウム入りの食材を摂ったりするのがおすすめです。
顔面多汗症には様々な要因がある
最後に、顔面多汗症にはどのような原因があるのかを知っておきましょう。
(1)交感神経の働き
汗は交感神経が出す神経伝達物質「アセチルコリン」の刺激によって発生します。はっきりとは分かっていないそうですが、遺伝が原因で元から過敏であったり、外的要因によって機能が過敏になったりすることで、多汗症の症状に繋がっていると考えられています。
(2)不安やストレス
人は緊張すると交感神経が優位になり、汗をかきやすくなります。顔面多汗症の人は、元々汗に対する悩みが強いことから、「これ以上汗が出たらどうしよう」「汗をかいているところを見られたくない」といった不安から、更に汗の量が増えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
(3)ホルモンバランスの乱れ
緊張や不安を感じていないのに汗をかく、大人になって急に顔汗が増えた…といった場合は、
ホルモンバランスの乱れが考えられます。この症状は更年期障害の一種である「ホットフラッシュ」と呼ばれ、女性ホルモン「エストロゲン」の減少や、自律神経の乱れが原因です。
(4)食生活
脂っこい食事や辛いもの、酸っぱいものの摂り過ぎなどは、胃に熱がこもり、汗の量が増えると言われています。たっぷりの野菜を摂り、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
顔汗の治療は慎重に
顔汗の治療を受けて汗の悩みが一気に解消することで、自信が持てるようになった、おしゃれや仕事などに積極的にチャレンジできるようになった、と人生が変わるきっかけになる人も多いでしょう。
しかし、顔汗の治療を受けることで、顔以外の部位の汗が増える「代償性発汗」など、いくつかの副作用が起きる可能性もあるのだそう。
今回はいくつかの治療法をご紹介したものの、最終的な治療方針は、医師が診察を行い、みなさんと相談した上で決めるものです。
はじめから治療法を決めつけたり、安易に治療を決断したりせず、後悔の残らないように慎重に行ってくださいね。
まとめ
顔に大量の汗をかいてしまう顔面多汗症。
ボトックス注射のような病院でできる治療と、顔用の制汗剤を使った日々の対策を上手に組み合わせることで、嫌な汗の悩みを軽減することができます。
また、汗のことを気にすればするほど、顔汗はひどくなってしまいますが、周りの人は意外と汗に気づいていない…ということも。汗をかいても大丈夫、とゆったりと構えることも大切です。
顔汗多汗症は改善できるものなので、一人で気負わず、今回ご紹介した対策法をぜひ検討してみてください。